モジュール基板を用いた工場ユーティリティー管理の試作システム構築法
PPG工場のユーティリティー（電力、温度、流量など）の適切な管理は、効率的な運用とコスト削減に不可欠です。ユーティリティー設備とは、工場の運営に必要な電力、空調、水、ガス、空気圧などの基幹設備を指します。これらの適切な管理を行うことで、エネルギーコストの削減や設備の長寿命化が期待できます。
まずは試作システムを構築してお客様の現場で十分に試験運用・評価した後に、本格的なシステム構築へ格上げすれば現場の理解も進み、スムーズに導入できるはずです。
試作システムは非常に低コストで構築できるので予算がない場合でもまずは試すことができるのが強みです。
本記事では、当ショップが提供するモジュール基板とブレッドボードを使用して各センサー信号と既設の流量計の信号をマイコンボードに入力し、工場ユーティリティー管理の試作システムを迅速かつ低コストで構築する手順を解説します。また、現場評価後に小規模量産基板への統合についてもサポートする点を含めてご案内します。
💡 工場ユーティリティーとその重要性
工場ユーティリティー設備は、工場の生産活動を支える重要なインフラであり、以下のような役割を果たします：
- 電力供給：生産設備や照明、事務所エリアへの電力供給。
- 空調管理：温度や湿度を適切に維持し、製品品質を確保。
- 流体管理：工業用水やガス、圧縮空気の供給と管理。
これらのユーティリティーを適切に管理することで、エネルギー効率の向上、コスト削減、設備のトラブル予防が実現します。
💡 システムの概要
工場ユーティリティー管理システムでは、以下のパラメータを監視することが重要です：
- 電力：各設備の消費電力や異常電流の検知
- 温度：機器や設備周辺の温度管理
- 流量：工業用水や空気の流量監視
本システムでは、以下のモジュールを活用して試作を進めます。流量については既設の流量計から情報をもらうことにします：
- 電流センサーハブモジュール
- 工場内の設備ごとの消費電力をモニタリング。
- RTD（測温抵抗体）センサーハブモジュール
- 温度変化をリアルタイムで監視。
- Wi-Fi対応マイコンボード（ESP32など）
- センサーからのデータをクラウドへ送信。
- ブレッドボードとジャンパーワイヤ
- 試作段階での配線に使用。
🛠️ システム構築の手順
1️⃣ ステップ1：モジュールの接続
ブレッドボードを使用して、各センサーモジュールをマイコンボードに接続します。
流量計からの情報も適宜（例：4-20mA計装信号の場合、別途ADCボードを通じて）マイコンボードへ入力することにします。
- 電流センサーハブモジュール：工場設備の電源ラインにクランプセンサーを設置。
- RTDセンサーハブモジュール：温度を監視する対象に接続。
各モジュールの出力をESP32のI2CまたはSPIピンに接続します。
2️⃣ ステップ2：データ取得の確認
以下のようなコードを使用して、センサーからのデータを取得できることを確認します：
#include <Wire.h>
void setup() {
Serial.begin(115200);
Wire.begin();
}
void loop() {
// 電流、温度センサーと流量計からのデータを取得
readSensors();
delay(1000);
}
3️⃣ ステップ3：クラウド連携
Wi-Fi接続機能を使用して、センサーからのデータをクラウドに送信します。AWS IoT、Google Cloud、Firebaseなどのプラットフォームを利用し、データの可視化や管理を行います。
4️⃣ ステップ4：データの可視化
クラウド上に保存されたデータをGrafanaやGoogle Data Studioで可視化し、電力使用量や温度、流量の変化をリアルタイムで監視します。
ここで試作システムをお客様の現場で十分に試験運用・評価します。
🚀 試作から量産基板への移行
試作システムをブレッドボードで構築し、実際の現場で評価した後、以下の手順で小規模量産基板に統合することが可能です：
- 評価結果のフィードバック
- 現場で得られたデータを基に、改良点や不要な機能を特定します。
- 基板設計の支援
- 当ショップでは、試作システムを一体化した小規模量産基板への移行をサポートします。
- 設計から製造までの工程で必要なアドバイスを提供します。
- 少量生産サービスの活用
- 必要な数だけ製造することで、コストを最小限に抑えながら運用を開始できます。
✅ 当ショップのサポート内容
- モジュール基板の提供：試作から量産まで利用可能な高性能基板を取り揃えています。
- 設計支援：小規模量産基板の設計から製造までのプロセスをサポートします。
- 柔軟なカスタマイズ：ユーティリティー管理に特化したソリューションを提案します。
🔄 まとめ
モジュール基板とブレッドボードを活用することで、工場ユーティリティー管理システムの試作を迅速かつ低コストで実現できます。
現場評価を経て、小規模量産基板への統合をスムーズに行うことで、実用的かつ高効率なシステムを構築できます。当ショップでは、設計支援や製造サポートも行っていますので、ぜひご活用ください！
▶ 詳細はこちら： [ショップリンク]
